Penlytics入門|第23回 設計と執筆を行き来するモード

行ったり来たりモード ― 設計と執筆を同時に進める

はじめに

これまで、物語の全体を先に決めてから書く「設計モード」をご紹介してきました。最後にもうひとつ、設計と執筆を行き来しながら進められる「行ったり来たり」モードをご紹介します。

「全体をきっちり決めてから書く」のは安心ですが、人によっては窮屈に感じることもあります。逆に「一話ずつ勢いで書く」のは自由ですが、長くなると全体を見失いがちです。この「行ったり来たり」モードは、その中間をねらったものです。物語の全体像を脇に置きながら、その場で一話を書き、また全体を見直す――そんな進め方ができます。

プロジェクトを作るときに 行ったり来たりしたい を選ぶと、このモードに入ります。ちなみに、このモードには「★ おすすめ」の印がついています。どちらの書き方がよいか迷ったときに、まず試してみやすいモードです。


上の5つのタブで作業を切り替える

このモードでは、画面のいちばん上に5つのタブが並んでいます。書く / 全体情報 / 構成 / ボード / 世界・人物・伏線 です。

設計モードでは左側にページの案内がありましたが、こちらでは上のタブで切り替えます。

全体情報 / 構成 / ボード / 世界・人物・伏線 の中身は、これまでの回でご紹介してきたものと同じです。「行ったり来たり」モードの特徴は、なんといっても 書く のタブにあります。

「書く」タブ ― 左に全体マップ、右に執筆ノート

書く のタブを開くと、画面が左右に分かれています。

左側は 全体マップ です。物語全体を縦のタイムラインで見せてくれます。色分けされた帯が幕を表し、印が節目を表します。マップには「ドットをクリックで そのエピソードを開きます」とあるとおり、右端に並ぶ点(ドット)が各話を表していて、点を押すとその話が右側に開きます。今書いている話は、大きく強調されて表示されます。

左の上のほうには 今書いているのは… という案内のカードもあります。物語の中で「今いる位置」を、幕の進み具合から「序章は完了、中盤の半ば」のように文章で教えてくれます。全体の中での現在地を見失わずにすみます。

右側は エピソード執筆ノート です。話を選んでいないときは、今ある話の一覧が並びます。一覧の上の 新しい話のタイトル という欄にタイトルを入れて隣のボタンを押せば、新しい話を足せます。話を選べば、その話の本文を書く画面になります。

このように、左で全体を眺めながら、右でその場の一話を書く。書きながら気になったところがあれば、全体マップに目を移してすぐに位置を確かめる。これが「行ったり来たり」モードの真骨頂です。


全体マップから節目を足す

左の全体マップの下には、節目を追加 のボタンがあります。「ここで大きな転換が起きる」と思いついたとき、わざわざ構成のタブに移らなくても、その場で節目を足せます。

押すと、種類(物語の転換・人物の変化・世界の変化・テーマの提示)、何話目で起きるか、どんな出来事かを入れる小さな入力欄が出てきます。書いている流れを止めずに、思いついた見せ場をすぐ書きとめておけるのが便利です。

AIの手伝いは右下のボタンから

設計モードでは右側にAIの窓口が並んでいましたが、このモードでは画面の右下に AI ツール という丸いボタンがあります。

これを押すと、AIの相談窓口が右側から開きます。中身はこれまでと同じで、AI読書 / AI執筆 / チャット の3つです。本文を書いていてAIに手伝ってほしくなったら、このボタンから呼び出してください。一度開いたら、タブを切り替えても開いたままにしておけるので、散らかしながら作業を進められます。

このモードはこんな方に向いています

「行ったり来たり」モードは、次のような方に向いています。

全体の見取り図を手元に置きつつ、自由に書き進めたい――そんな欲張りな願いをかなえてくれるのが、このモードです。

使い方の例

たとえば、おおまかな構想はあるけれど、書きながら細部を決めていきたい物語があるとします。

まず 全体情報 で題名とテーマを決め、構成 で大きな幕だけ用意します。次に 書く のタブに移り、左の全体マップで現在地を確かめながら、右の執筆ノートで第1話を書きはじめます。書いている途中で「ここで大きな転換を入れたい」と思いついたら、全体マップ下の 節目を追加 で、その場で節目を書きとめます。

文章に詰まったら右下の AI ツール を開き、AI執筆 で続きの下書きを出してもらいます。一話書き終えたら、全体マップのドットで次の話に移り、また書きはじめます。

このように、全体を見ながら一話ずつ進めるリズムで、物語を育てていけます。

まとめ

「行ったり来たり」モードは、設計と執筆を同時に進められる、欲張りなモードです。画面の上には 書く / 全体情報 / 構成 / ボード / 世界・人物・伏線 の5つのタブが並びます。

中心となる 書く タブでは、左の 全体マップ今書いているのは… の案内で全体の中の現在地を確かめながら、右の エピソード執筆ノート でその場の一話を書けます。見せ場を思いついたら 節目を追加 ですぐ書きとめ、AIに手伝ってほしくなったら右下の AI ツール を開く。

全体を見失わずに自由に書き進めたい方に、ぴったりのモードです。これで「物語を設計する」シリーズはおしまいです。ご自分に合った書き方を、ぜひ見つけてみてください。