Penlytics入門|第21回 世界観・人物・伏線の資料置き場

世界・人物・伏線 ― 作品の資料置き場をつくる

はじめに

「物語を設計する」モードの5番目のページ、世界・人物・伏線 をご紹介します。

長い物語を書いていると、「この人物の口調はどうだったか」「この世界の決まりごとは何だったか」「あの伏線はまだ回収していないか」と、覚えておくことがどんどん増えていきます。このページは、そうした作品の設定をひとつの場所にまとめておく、いわば資料置き場です。

ここに書きためた設定は、AIが本文を作るときの手がかりにもなります。世界のルールや人物の口調をきちんと登録しておくと、AIの下書きが作品世界からずれにくくなります。

このページには大きく分けて、作者が自分で決める「核設定」、AIが本文から読み取った「世界観・テーマ」、「登場人物」、人物どうしの関係の移り変わり、そして「伏線」があります。順番に見ていきましょう。


作者が直接決める「作品の核設定」

ページの上のほうに、作品の核設定 (= 旧 ストーリーバイブル) というまとまりがあります。これは作者が自分の手で決める、物語のいちばん大事な土台です。ここに書いたことは、AIが勝手に書き換えることはありません。次のような項目があります。

物語の根幹にかかわる部分ですので、まずはこの核設定をていねいに埋めておくと、後の執筆がぐっと楽になります。

AIが読み取った「世界観・テーマ」

核設定の下には、世界観・テーマ のまとまりがあります。こちらは、あなたが書いた本文をAIが読んで、自動で拾い上げた設定やテーマが並ぶところです。作者が自分で決める核設定とは別もので、書き進めるにつれて自動で増えていくことがあります。

地名・道具・組織・文化といったカテゴリで絞り込んだり、名前で検索したりできます。手で新しい設定やテーマを足すこともできますし、いらないものを消すこともできます。

設定を消すときには、「ただ消す」のか「これからは再び拾わないようにする」のかを選べます。後者にしておくと、AIが本文から同じものをもう一度拾い上げることがなくなります。なお、いったん「再び拾わない」にしたものは、下のほうにあるまとまりからいつでも解除して、ふたたび拾えるように戻せます。

登場人物をひとりずつ登録する

登場人物 のまとまりでは、作品に出てくる人物をカードとして管理します。ここもAIが本文から自動で拾うことがありますが、自分の手で新しく作ることもできます。右上の を押すと、新しい人物を作る画面が開きます。

人物のカードでは、たくさんのことを書き込めます。

とくに会話スタイルをていねいに書いておくと、AIがその人物にしゃべらせる台詞が、その人らしくなります。「カジュアルに『〜だ』『〜か』で話す」「敬語は使わない」といった具合に書き込んでみてください。

人物が増えてきたら、名前や役割での検索や、登録順・名前順・役割順といった並べ替えで、目当ての人物を探しやすくなっています。

人物どうしの関係の移り変わりを記す

登場人物のまとまりの下には、人物関係の動き があります。「全話を通じた変化」とあるとおり、ここは二人の関係が物語の中でどう移り変わっていくかを記しておく場所です。

右上の 関係を追加 から、関係をひとつ加えられます。二人の人物を選び、「敵対 → 一時休戦 → 友情」のように、その関係がどう変わっていくかを書きます。さらに「第5話で仲違いする」のように、変化が起きる具体的な話数と内容も加えられます。

助手に提案させる

ここで便利なのが、助手に提案させる というボタンです。これは、人物が二人以上登録されているときに表示されます。


このボタンを押すと、AIが今ある人物関係を見て、まだ書かれていない新しい関係を提案してくれます。提案には「なぜその関係が考えられるか」の理由も添えられます。気に入った提案をチェックで選び、選んだ ○ 件を追加 を押せば、まとめて取り込めます。「この二人の関係をどう動かそうか」と迷ったときの、頼れる相談相手になります。

張った伏線を管理する

ページのもうひとつの柱が、伏線 のまとまりです。物語に仕込んだ伏線を一覧にして、回収したかどうかや、いつ回収するつもりかを管理できます。右上の から、新しい伏線を加えられます。

それぞれの伏線には、内容(何を仕込んだか)、回収の予定、回収の方針などを書けます。回収の方針には次のようなものがあります。

伏線は、状態(未回収・回収済など)で絞り込んだり、優先度で並べ替えたりできます。「まとめて回収済みにする」「まとめて消す」といった一括操作も、選択モードに切り替えれば行えます。

「未回収の伏線が残っていないか」を、いつでもひと目で確かめられるのが心強いところです。

使い方の例

たとえば、記憶をめぐる物語を設計しているとします。

まず 作品の核設定 で、想定読者どんな世界? を書き、世界の基本ルール に「図書館は夜の十二時から夜明けまでしか開かない」といった決まりごとを「重要」で加えます。次に 登場人物 で主人公とヒロインを作り、それぞれの口調や口癖を書き込みます。

二人を登録したので、人物関係の動き助手に提案させる が出てきます。押してみて、出てきた関係の案から良さそうなものを取り込みます。最後に 伏線 へ移り、「謎の手紙の差出人」という伏線を加えて、回収方針を「温存」にし、しばらく明かさないようにしておきます。

これで、物語の資料がひととおりそろいました。あとは本文を書きながら、このページに戻って設定を足したり、回収した伏線に印をつけたりしていけば大丈夫です。

まとめ

世界・人物・伏線 のページは、作品の設定をひとつにまとめておく資料置き場です。

作者が手で決める 作品の核設定、AIが拾い上げる 世界観・テーマ、ひとりずつ作る 登場人物、二人の関係を記す 人物関係の動き助手に提案させる で相談できます)、そして仕込みを管理する 伏線。これらをていねいに埋めておくと、長い物語でも設定がぶれにくく、AIの下書きも作品世界に寄り添ったものになります。

次回は、たった1文から物語を膨らませていく 雪片 法 wizard を詳しく見ていきます。